2010年7月2日金曜日

動きの詞(ことば)シリーズ…染む(3:まとめ)

前回触れた壱岐の麦焼酎「天の川」を先週土曜の昼頃インターネットで注文したら,何と翌日曜の夜に届きました。本当に便利な時代になりましたね。
天の川君が寝ている間に,早速口を開けて,私が普通焼酎を飲むときの飲み方(ロック)で飲みました。
非常にまろやかで,芳醇さを感じる焼酎です。天の川君の性格と正反対かな。
ちょっと,今まで飲んだ麦焼酎とは違う,奥深い味わいで,買って良かったと思います。
後日,水割り,お湯割り,ストレートでも味わいました。
それぞれ異なる良い味わいを感じましたが,やはり私にはロックが一番合いました。
さて,「染む」の最終回として,万葉集から次の短歌を紹介します。

浅緑染め懸けたりと見るまでに春の柳は萌えにけるかも(10-1847)
あさみどり そめかけたりと みるまでに はるのやなぎは もえにけるかも
<<浅緑に染めた糸を掛けたように春の柳が芽吹いています>>


      
この詠み人知らずの短歌は,ネコヤナギの花穂の毛を見て詠んだのではないかと私は思います。
猫の毛を思わせる花穂の毛の色はまさに薄緑に染めた糸でできたように見えたのではないでしょうか。

         出典:草花写真館(本館)のWebページ
「染む」は「初む」と同じ発音でもあり,何かの変化が始まる初期段階のイメージを持つかもしれません。
ただ,虜になるという強い完結した表現にも使われます。
さまざまな「染む」を詠みこんだ和歌が万葉集にあることを見ると,当時の染色は同じ色でも濃く染めたり,薄く染めたりする技術が当然のように確立され,さらに濃淡をアレンジして現代でいう「グラデーション」を表す染色技術もあったとさえ想像できます。
当時の染色技術者は,自然界の色の美しさや繊細さを染めものに表現しようと必死になって試行錯誤(研究)を繰り返していたのではないでしょうか。
また,万葉歌人の中には,色彩に関する豊かな感性を十分持っていた人々がいたと私には思えてなりません。
<現代人は割と画一的?>
いっぽう現代人はいろんな考えや価値観の情報,周りの人の行動などに影響されて(振り回されて),結局は割と画一的な考えに染まっているのではないでしょうか。
もう少し,自然の変化を意識して見て,その変化と日常生活との共通点を生活のリズムに取り入れてみたらどうかなと私は思います。
たとえば,今梅雨の真っ只中ですが,雷が鳴るようになったのでそろそろ梅雨も末期かもしれないと考えてみる。そうすると梅雨は結構早く明けるかもしれず,酷暑の可能性さえある。今のうちにエアコンを買うなど暑さ対策を早めにしよう。早めに夏山登山計画でもしようとか考えるのも面白いかもしれません。
<事前の変化にもう少し敏感になっては?>
私の近所の幹線道路には街路樹として百日紅(サルスベリ)が一定間隔で植えられています。今年も一部の木から咲き始めました。
これから赤,紫,白の百日紅の花が次々と咲いて,街路を美しく染めていくことを想像すると,本格的な夏を待ち遠しく感じてしまいます。
また,近所の裏道の道沿いで割と日陰になりやすい箇所には,ドクダミの小さな群生地があります。可愛らしい白い花が緑の(葉の)布地iにあちこち白く染め抜かれたように咲いています。

天の川君,我が家の初鰹(この夏初めて食べる)のタタキでも肴に焼酎「天の川」を一緒に呑もうか。

天の川 「ZZZ…Z」

あ~!!。半分以上残してあったボトルを天の川に全部呑まれてしまった。天の川のヤツ,も~許さん! 争ふ(1)に続く。

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