2015年7月28日火曜日

2015 盛夏スペシャル(3) 名張から初瀬街道を少し歩き,明日香でみかんの摘果を行う

<翌日明日香村へ>
7月26日(日)は名張の宿泊先を早朝5時前に出発し,前夜の花火大会の賑わいが嘘のように静かな名張の街を少し散策し,初瀬街道を西に向かいます。


赤目口まで,一面に青々とした田,田に水を供給する水路の水の流れる音,周囲の里山,宇陀川の清流の風景を眺めながら,朝の涼しい風を受けすがすがしい気持ちで歩くことができました。

赤目口で,また街道沿いの古い民家の中を歩き,赤目口を過ぎると,宇陀川沿いに少しずつ山間に入っていきます。そして,奈良県の宇陀市室生地区に入ります。



朝9時頃までに榛原まで初瀬街道を歩き,近鉄で橿原市岡寺駅まで行くつもりでしたが,途中風景を楽しみながらゆっくり歩いたので,榛原まではその時間までに着くのは無理を判断し,一つ手前室生口大野駅から近鉄電車に乗りました。

この判断は正解で,何せ室生口大野から榛原までは電車で6分,私鉄1駅区間運賃としては異例の260円です(営業距離 7.1㎞)。電車と違いカーブの多い道を歩くのですから,相当時間を要することが考えられます。
次回の機会にチャレンジしたいと思います。
ここで,初瀬(泊瀬)について万葉集で詠まれた何首かを紹介しましす。
最初は,柿本人麻呂歌集に出ていたという短歌です。

こもりくの豊泊瀬道は常滑のかしこき道ぞ恋ふらくはゆめ(11-2511)
こもりくのとよはつせぢは とこなめのかしこきみちぞ こふらくはゆめ
<<泊瀬の山道は滑りやすい恐ろしい道。恋路とて同じ。あまりお急ぎめさるな>>

写真は宇陀川の川床ですが,この地帯は岩石が地表に出ていて,雨の日は街道にもすべやすいところがあったのだろうと私は想像します。

もう1首,石ころだらけの険しい道であったことを詠んだ詠み人知らずの短歌(長歌の反歌)です。

隠口の泊瀬小国に妻しあれば石は踏めどもなほし来にけり(13-3311)
こもりくのはつせをぐにに つましあればいしはふめども なほしきにけり
<<泊瀬の里に妻がいるので,石ころだらけの険しい道を踏んで,それでも僕はやってきた>>

今の初瀬街道も旧道に入ると,今にも崩れ落ちそうな岩がむき出しになり,植物の根が中に入れず,網の目のように這い覆っているところがありました。
最後は,泊瀬の山が豊かな森林おおわれていたことを思わせるこれも詠み人知らずの短歌です。

三諸つく三輪山見れば隠口の泊瀬の桧原思ほゆるかも(7-1095)
みもろつくみわやまみれば こもりくのはつせのひはら おもほゆるかも
<<三輪山を見ると,泊瀬の檜木の山林を思い出してしまうなあ>>

「三諸つく」は三輪山,「隠口の」は泊瀬に掛かる枕詞です。この作者は,泊瀬出身か,行商で今の初瀬街道を行き来した人ではないでしょうか。
ご神体として山林が手つかずの三輪山を見て,山深い泊瀬の山の山林に負けないくらい立派だと詠んだのでしょう。
さて,私は岡寺駅からはみかん畑まで,20分あまり上り坂を歩きました。この時間帯になると暑さが強烈になり始めます。水分を補給して今年も頑張ります。

いつも楽しみにしている道途中のハス池は,今年も綺麗に咲いていました。

みかん畑について,さっそく摘果を開始します。上の写真の2つの実は傷がついているので,残念ですが摘果。下の写真の実は残します。


こうやって,傷ついた実,発育の悪い実を袋いっぱいの実を摘果しました。摘果した実は,家で搾り,焼酎の炭酸割にたっぷりと入れて,爽やか味わいを存分に楽しみました。

2015 盛夏スペシャル(4)に続く。

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