台北旅行の最終日(26日の土曜日)は,朝から帰る荷物の整理をして,チェックアウトの12時まで,忠列祠(ヂョンレイツー)の衛兵交代を見に行きました。
私たちはMRT圓山(ユァンシャン)駅まで行き,そこからバスで行くことにしました。
圓山駅のバス停にはさまざまな経路のバスが書かれていて,忠列祠へ行くバスがどれか(何種類もあるらしい)分かりにくく,MRTの駅に戻り駅員に聞きました。
しかし,彼もバスの細かい行き先について知らないようでした。
結局,バス停で最初に来たバスに観光客風の人が何人か乗ったので,私たちも乗ることにしました。
乗ったバスは土曜日で道が空いていることもあってか,急カーブしている道もほとんど減速せず走り,5分とかからず,忠列祠につきました。
バス停は忠列祠の門と通りの反対側で,信号の無い横断歩道を渡る必要があります。
道はカーブしており,次から次とクルマが双方から猛スピードで途切れず現れては通過するので,怖くてなかなか渡れません。
20台以上はやり過ごしたでしょうか,地元の人らしい人が見計らって渡り出したので,それに続いて何とか渡れたときは,正直ほっとしました。
衛兵の交代式は23日に見た中正記念堂に比べて,時間が長く(約30分),野外(石畳の中庭の線は衛兵が歩いた跡)が中心なので,色々な角度から衛兵に横から随行したり,前に回って正面からも見ることができました。
また,天候は曇りでこの季節の台北にしては過ごしやすく,最初から終わりまで見学することができました。
帰りは圓山駅方面のバス停は道を渡る必要がないため,気持ちは楽です。
ほどなく,台北車駅行のバスが来たので,乗ったところ圓山駅のロータリーには入らず,ロータリー前の道を直行するではありませんか。
「しょうがない。台北車駅からMRTで戻ろう」と思ってあきらめていたところ,しばらくして何と泊まっているホテルのすぐ近くの交差点が見えてきました。
その交差点のバス停で降りる乗客がいたので,間違いなくホテル近くの交差点だと確認して,続いて降りることができました。
結局,MRT圓山駅から雙連駅までの電車料金を払わなくて済んだというラッキーに出会いました。こんな経験も旅の楽しみのひとつですね。
次回台北に来るときは,ホテルに近いバス停からどこに行くバスに乗れるか,しっかり調べようとも考えました。
11時過ぎにホテルに戻った私たちは部屋で最終的な荷物の整理をして,チェックアウトしました。
夕方6時過ぎの帰りの飛行機出発まで,時間がたっぷりあるので,荷物をホテルで預かってもらい,土産物を買いに出かけました。
まず,台北車駅近辺のデパートやショップを最初探したのですが,なかなか良いところが見つからず,結局前回台北に来たとき土産物を買った,MRT忠孝復興(ヂョンシャオ・フーシン)駅にある太平洋SOGOデパートの地下2階にしました。
ここでは,パイナップルケーキのいろいろなブランドの品物が販売されていて,試食もしっかりさせてもらえます。
ただ,時間がまだたっぷりあるので,同フロアのフードコートで軽い昼食を摂りました。台北101に併設された高級ブラントばかりが1階から上に入っているビルで,地下1階ではフードコートがありました。
台北のデパ地下にフードコートがあるのは,結構興味を持ちました。ただ,最上階にレストラン街が無い場合が多いので,その代用なのかもしれませんね。
太平洋SOGOのフードコートのまわりには,レストランもあり,日系であるためか,日本の丼,ラーメン,寿司,鉄板焼き,うどん,釜飯などを食べさせるレストランが台湾料理や韓国料理の店より多かった印象です。
中でも,私たちがフードコートで1時間程過ごした席のすぐ近くのラーメン店は,その間行列がまったく絶えることがありませんでした。
並んでいる人はすべて地元の人(女性,女性グループ,男女カップル,ファミリー中心)のようで,日本人はいませんでした。
店員は日本式の教育を受けているようで,並んでいる人にメニューを渡し,入店順番近くになるとメニューが決まっていれば聞き,先に厨房に連絡をしていました。
食事が終わったお客さんの多くは,満足そうな顔をして出てきた印象を持ちました。
日本式ラーメンの人気が非常に高いようだと感じました。
さて,台北の人間ウォッチングを終えた私たちは,試食して一番美味しいと感じたパイナップルケーキを爆買い(かなり大袈裟表現です)して,少し寄り道したり,お茶なども買いつつ,4時頃ホテルに戻りました。
ホテルで,タクシーを呼んでもらい,タクシーで台北松山空港に向うことにしました。
タクシーが来るまでホテルのフロントの女性からは「台風接近の前のお帰りで良かったですね」といわれ,帰りが明日以降だったら大変だったかも知れないことに気づかされました。
乗ったタクシーの基本料金は70元(280円弱)で,空港についた時のメーターが125元(500円弱)でした。MRTでは遠回りで乗り換えが必要になりますが,道路ではこんなに近んだと,ホテルの立地の良さを改めて感じました。
タクシーの運転手は40歳台くらいの女性で,出発・到着ともに荷物の上げ下ろしをしっかり手伝ってくれたので,100元札2枚を渡し「Keep the change.(おつりはとっておいて)」と言いました。
彼女はもらって当たり前という雰囲気は微塵もなく,「いいんですか?」という顔をして,何度もお礼を言ってくれました。
台北及び近郊の交通機関,公共施設の各種警護や管理に携わる人たち,ホテル,レストラン,食堂,屋台,売店,温泉施設などの従業員,他の観光客(日本人,日本人以外)との接触を通した台北旅行は,今まで以上に楽しくも充実したものになりました。
気持ちは,大海人皇子が吉野を愛した有名な短歌の《 》内の部分に「台湾」を入れたようなものでしょうか。
淑き人のよしとよく見てよしと言ひし《吉野》よく見よ良き人よく見
<よきひとのよしとよくみて よしといひし《よしの》よくみよ よきひとよくみ>
<<昔の立派な人が素晴らしい所だと何度も見て,それでも素晴らしい所だと言ったというこの《吉野》をよく見ると良い。今の善良な人たちもこの地を何度も見てほしい>>
飛行機は夜10時過ぎに羽田空港に着陸しましたが,海外からの帰国客でごった返していました。帰りの電車も,土曜の夜を過ごした乗客が途中から加わり,ずっと満員状態でした。
明日からは職場での仕事が待っています。明日お土産を配ったら,気持ちは完全な仕事モードに切り替わります。
さて,次回からは,動きの詞シリーズの第2弾はお休みにして,今でもあるシリーズの第2弾をお送りしていきます。
今もあるシリーズ「麻(あさ)」に続く。