人名といえば,橋の付く名前を持つ方がいらっしゃいますね。
万葉集に現れる「橋」で終わる単語を探してみました。
天橋(あまはし),石橋,浮橋,打橋,大橋,倉橋,高橋,棚橋,玉橋,継橋,檜橋(ひはし),広橋,舟橋,八橋(やばせ)などが出てきました(明かな地名は除いています)。
これを見ると,やはり人名でよく出てくる単語も多くあります。
橋の近辺には,川の向こう側に行きたい人,その人たちへモノを売る人,休憩場所や宿泊場所を提供する人,橋を管理する人,道案内をする人,通行人をチェックする人などが集まってきます。
その結果,交通の要所の橋ほど,その周辺に暮らす人も多くいたと考えられます。
「~橋」が苗字によく使われるのも頷けるのかもしれません。
さて,約1,300年前でも橋の種類が多いことについて考えてみました。
日本の川は,川幅何キロにも渡るような大河は少ない。その上,平城京や明日香近辺では大河と呼ばれる川はもっと少ない。橋の長さは当然短くて済みます。また,平野ではなく,山中の川の橋だと増水の影響が大きいこともあります。石橋(石を飛び飛びに並べた橋),浮橋(舟や筏を並べた橋),打橋(掛け外しができる橋),棚橋(筏を棚状に連ねた橋),継橋(いくつもの板を継ぎ足した橋),舟橋(舟を並べた橋)などは,比較的簡易な作りや洪水が予想されるときには陸に揚げられるような構造の橋に分類されるのではないでしょうか。このような方式ですます場合は,これだ!という方法が定まらない傾向がありすから,方式の種類が多くなってしまいます。
さて,橋に限りませんが同じ役目や分類の単語に対し,いろいろな種類のものが出てくる万葉集。
やはり,編者の意図が単に和歌を集めるということだけではなかったと思われてなりません。
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