万葉集で出てくる単語の中で,今でも多く見かけるものがたくさんあります。
例えば「原」で終わる単語を万葉集の中から探してみました。
特定の地名を除き,今も比較的よく見る単語は,葦<芦>原(あしはら),青海原,天の原,海原,川<河>原,茅原(かやはら),小松原,篠原,柴原,菅原,杉原,萩原,藤原,松原などが見つかりました。
これらのなかでは,植物が生い茂った広い土地を指しているものが多いことが印象的です。
また,日本人の名前(姓)に多く見られることも事実ですね。
日本人の多くが明治以降に苗字をつけることを許されたと考えると,これらの言葉はずっと苗字以外でも使われてきたことを示していると思います。
土地が狭く,変化が激しい日本の地形に住んでいると,同じもの(植物など)が広がる平らな広い土地は珍しく印象に残る場所であり,苗字として多くつけられたのはその周辺では人が住むことが多い場所だったのかも知れません。
いずれにしても1,300年前後前から使われている単語です。
今新しい用語がどんどん出現し,以前よく使われていたが使われなくなった言葉もたくさんある中,ずっと一般的に使われる単語が多くあることは,考えようによっては結構興味深いことではないかと思います。
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