2012年8月12日日曜日

夏休みスペシャル「最近のできごと」宇治⇒明日香:藤原宮跡に寄る


<睡魔との闘い>
日曜日の朝,JR宇治駅から奈良行き始発電車に乗った私は,当然のごとく夜を徹して大津から宇治まで歩いた睡魔に襲われ,あっという間に奈良駅到着。
奈良駅で桜井線(万葉まほろば線)の次の電車まで10分余りしかなかったため,今まで何度も泊まっているスパーホテルLOHAS奈良駅前の1Fコンビニでパンと野菜ジュースを購入。出発までの電車の中で朝食を済ませました。
桜井線でも睡魔に襲われ,すぐに畝傍駅に到着。畝傍駅(写真)は昨年降りた香久山駅より少し大きい駅です。

そこから南の飛鳥方面に行く道は昔からの街道(写真)らしく,雰囲気が伝わってきます。


畝傍駅から南東方向に1㎞程のところに藤原宮跡(写真)の遺跡があります。


南西に畝傍山,北に耳成山,南東に香久山に囲まれた藤原宮跡で,次の万葉集の長歌(詠み人知らず)から万葉人と同じ景色を見ていることを知ることができる歓びを感じます。

やすみしし我ご大君 高照らす日の皇子 荒栲の藤井が原に 大御門始めたまひて 埴安の堤の上に あり立たし見したまへば 大和の青香具山は 日の経の大御門に 春山と茂みさび立てり 畝傍のこの瑞山は 日の緯の大御門に 瑞山と山さびいます 耳成の青菅山は 背面の大御門に よろしなへ神さび立てり 名ぐはし吉野の山は かげともの大御門ゆ 雲居にぞ遠くありける 高知るや天の御蔭 天知るや日の御蔭の 水こそばとこしへにあらめ 御井のま清水(1-52)

長くなるので現代語訳は載せませんが,藤原宮を賛美するこの長歌では三山がちゃんと詠み込まれています。また,この長歌から藤原宮は水が湧き出る池があり,水路が張り巡らされていたのかもしれないと想像します。
私は藤原宮跡を後にして,甘樫の丘の東側に沿ってさらに南下して,明日香小学校の近くの蓮池(写真)の蓮の花が見ごろで綺麗でした。


それからさらに南下し,私がミカンの木のオーナーになっている農園に到着。そこで,摘果作業を行いました。生育が悪かったり,形の悪い実を取るのが摘果作業です。摘果した実は自宅に持って帰り,焼酎を炭酸で割るときに絞って入れます。レモンやスダチよりも柔らかい酸っぱさで,まずまずの味です。
さて,摘果作業が終わった後は近鉄橿原神宮前駅までの数㎞を再びひたすら歩きました。そこからは,(青春18きっぷは使えませんが)近鉄の急行電車で京都まで行き,京都からはJRの新快速,普通を乗りついで東京まで行き,自宅に付いたのは午後11時頃でした。
みなさんは「何でこんなしんどい旅をするのか?」と思われるかも知れませんが,次の中臣宅守の歌のように万葉時代の旅は簡単ではなかったことをほんの少し追体験したいという気持ちだけでしょうか。

旅と言へば言にぞやすきすべもなく苦しき旅も言にまさめやも(15-3763)
たびといへばことにぞやすき すべもなくくるしきたびも ことにまさめやも
<<旅と言うだけだったら本当に簡単だが,どうしょうもなく苦しいこの旅だと言うのは誇張ではないよ>>

夏休みスペシャル「最近のできごと」飲んで歌ってまた飲んで に続く。

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