引き続き,「う」で始まる難読漢字を万葉集に出てくることばで拾ってみました(地名は除く)
親族(うがら)…血縁のある人
祈誓ふ(うけふ)…神に祈る
領く(うしはく)…自分のものとして領有する
髻華(うず)…木の枝、葉、花や造花を冠や髪にさして飾りとしたもの。かざし。
現人(うつせみ)…この世に存在する人間。この世、現世、世人
現(うつつ)…夢に対して現実
薺蒿(うはぎ)…ヨメナの古名。春若芽を食用にした
宣(うべ)…もっともであること
績麻(うみを)…績んだ麻糸
倦む(うむ)…いやになる。あきる。退屈する。
績む(うむ)…麻などを細く切り裂き、長くより合わせる
末(うら,うれ)…草木の成長する先端
心(うら)…こころ。思い。現代でも「うら寂しい町」という使い方をする。この「うら」は「心」が漢字として当てられる。
次は,「心(うら)」が出てくる大伴家持の有名な短歌です。
春の野に霞たなびき 心悲しこの夕影に 鴬鳴くも (19-4290)
<はるののにかすみたなびき うらかなしこのゆふかけに うくひすなくも>
<<春の野に霞が棚引いている。そして,何となく悲しいこの夕影に鶯が鳴いているなあ>>
この短歌,私には,まるでNHKの「さわやか自然百景」の一場面(音声入り)をテレビで見聞きしているような見事な自然描写と感じてしまいます。
さて,この短歌の現代風パロディを1首作ってみました(時は,夕方ではなく早朝です)。
春の朝霞たなびき 心悲し生ゴミねらい 烏(からす)来鳴くも
(「え」「お」で始まる難読漢字に続く)
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