<真夏の明日香村>
7月28日朝6時47分近鉄南大阪線二上山駅から吉野駅行の電車に乗り,橿原神宮前駅まで移動しました。涼しい電車に乗るとすぐに眠気が襲ってきて,爆睡状態に。気が付いたのが,下車予定の橿原神宮前駅でドアが閉まりかける直前でした。何とかホームに飛び出し,乗り過ごしを防ぐことができました。
南大阪線吉野方面行ホームのベンチ朝の涼しい風に当たりながら,自宅から持ってきて,途中少しずつ食べながら来た冷凍枝豆の残りを平らげました。冷凍枝豆は昨年夏奈良街道を歩いた時も持参しました。昼に自宅を出るとき,完全凍った状態にして保冷剤を入れた保冷袋に入れておくと,夜中にはちょうど解凍された状態になり,保冷剤で朝までよく冷えた枝豆が食べられます。
冷凍枝豆は塩分を含んでいて,ミネラルウォータ(これも自宅を出るときは凍らせています)を飲みながら食べると熱中症の予防,空腹感の防止に効果があると私は考えています。残った枝豆をすべて平らげると,ホームで小休止し,駅の売店でパンとミネラルウォータを補充して,いよいよ酷暑の昼間に明日香に向かいます。
橿原神宮前駅を東の方向に進むと剣池(石川池)のそばに出ました。万葉時代「軽の池」と呼ばれていたとのことで「軽の池」を詠んだ紀皇女の短歌が紹介されています。
軽の池の浦廻行き廻る鴨すらに玉藻の上にひとり寝なくに(3-390)
<かるのいけのうらみゆきみる かもすらにたまものうへに ひとりねなくに>
<<写真参照>>
ここから,甘樫の丘にショートカットで行こうと,橿原市菖蒲町の住宅街に入りました。一戸建ての結構敷地の広い家が整然と並んでいて,私の感覚では高級住宅街です。ところが,余りにも整然と並んでいて,行き止まり(袋小路)ばかりで,道に迷ってしまいました。
庭の手入れをしている居住者の方に「甘樫の丘にはどう行けばよいですか?」と聞くのですが,そこに住んでいる人は甘樫の丘に歩いて行ったことはないらしく,遠回りの幹線道路を使っていく道しかご存知なようで,こちらの望む細い道は教えてもらえませんでした。
結局,午前中とはいえ,酷暑の中,遠回りの幹線道路に戻って歩くことになり,甘樫の丘の麓の飛鳥川にほとりにある「飛鳥」バス停に着くまで30分以上時間をロスしました。
そこには,明日香を訪れると必ずと言ってよいほど寄る農産物直売所「あすか夢の楽市」があり,今回も寄ることにしました。中は冷房がよく効いていてまるで砂漠の中のオアシスといった感じがしました。
そこで,冷たい紫蘇ジュースを試飲させてもらい,自宅へのお土産(古代米をブレンドしたコメ)を買い,リュックに詰めて,亀石方面に向かって歩き出します。
みかん農園に行く途中に,去年も写真を掲示した蓮の花がきれいに咲いている池があり,今年も写真を撮りました。
ただ,猛烈な暑さで,次の詠み人知らずの短歌のようにざっと雨でも降ればと思いつつ。
ひさかたの雨も降らぬか蓮葉に溜まれる水の玉に似たる見む(16-3837)
<ひさかたのあめもふらぬか はちすばにたまれるみづの たまににたるみむ>
<<雨が降らないかあ。蓮の葉の上にとどまっている水滴が宝石のように見えるから>>
10時前にみかん農園手前の急な坂道を登り,ようやく農園に到着(写真はみかん農園から見た明日香村方面)。
受付を済ませて,自分がオーナーになっているみかんの木に行って,摘果を開始しました。大きいものはそのままにして,小さい実,傷ついた実,周りに実がいっぱいあって日が当たらない実などを摘果していきます。
数十個は摘果して,今年の摘果作業は30分ほどで終わりました。その後,農園が用意してくださった,摘果した実のジュースを飲みと冷えたスイカを食べ,農園を後にしました。
農園から10分ほど下ったところに明日香村循環の赤かめバスの健康福祉センターというバス停があり,そこからバスに乗って,近鉄吉野線飛鳥駅まで向かいました。
<農園からの帰路>
ただ,バスには乗客は誰も乗っていませんでした。酷暑の夏真っ盛りに明日香村を徒歩で観光で訪れる人はほとんどいないということかもしれませんね。
飛鳥駅に着くと,次の電車まで25分ほどあり(乗る電車時刻を無視したバスダイヤ!),25分眠さを堪え,炎天下のホームで待つより,2駅先の橿原神宮前駅まで歩くことにしました。
駅の待合室から戻る私の姿をみて,開店休業のレンタサイクル店のお姉さん(私より年上という意味)が「お兄さん,自転車乗られへんか?」と声を掛けられました。「もう家に帰る時間やさかい,今日はええわ」といって,中街道(国道165号線)を北に向かいました。
なんとか,20分程度歩いて橿原神宮前駅に到着し,11時7分発京都駅行急行の最前部の車両に乗りました。近鉄京都駅はターミナル駅で,最前部が改札に最も近いことを知っているからです。
電車が走りだして,当然ですがすぐ睡魔が襲い,気が付いたときは京都駅の2駅前でした。
京都駅からは再び28日の青春18きっぷでJRのお世話になります。12時30分発のJR西日本の長浜駅行新快速に乗り,米原へ向かいます。快適な片側2列ずつのシートで,ここでもぐっすりと寝られました。
米原からはJR東海の大垣行,大垣からは豊橋行新快速,豊橋からは浜松行,浜松からは熱海行に乗り継いで,行きました。途中,ずっと一緒の電車で移動しているリュックを持った女性の団体や同じくリュックを持った男性の一人旅(私もその一人)が結構いました。青春18きっぷを使い,関西から関東に移動する最適な列車だったのかもしれませんね。
熱海からは,JR東日本の列車で,グリーン券チャージ(750円)をしてグリーン車でビールを飲みながら旅の最後,ゆったりと流れる東京の夜景を見ながら過ごしました。
自宅に戻り,7月28日の歩数計をみると,長尾街道分も含めなんと5万9千歩に達していました。少し苦しい時間帯もありましたが,地に足が付いた充実したひとり旅ができたと実感。もちろん,翌日は普通に会社に出勤し,いつもと同じように仕事をこなしたことも付け加えておきます。
2013夏休みスペシャル‥「光仁天皇と大伴家持」に続く。
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