2011年4月24日日曜日
動きの詞(ことば)シリーズ…散る(2)
万葉集で「散る」を詠んだ花について,もう少しこだわってみましょう。
次は関東地方各地ではそろそろ見ごろとなる藤の花(写真は我が家の近所の庭に植えられている見事な藤です)が散る様子を詠んだ大伴家持の短歌です。
霍公鳥鳴く羽触れにも散りにけり盛り過ぐらし藤波の花(19-4193)
<ほととぎす なくはぶれにも ちりにけり さかりすぐらし ふぢなみのはな>
<<霍公鳥の羽が少し触れただけでも散ってしまった満開の盛りが過ぎた藤の花房よ>>
この短歌は天平勝宝2年4月9日(今の暦ではゴールデンウィークが過ぎた頃)に越中の高岡で家持(32歳の頃)が詠んだとこの短歌の左注に記されています。
私が先週高岡を訪問した時,もちろん藤はまだ咲いていませんでしたが,満開の桜以外にコブシ,モクレンなども綺麗に咲ている場所がありました。
藤の花の季節,今でも見事に咲く場所が高岡のあちこちにあるのでしょうね。いずれにしても,高岡は春になると次々と花が綺麗に咲く街のようです。
もうひとつ春というより初夏の代表的な花である卯の花(ウツギ)が散る姿を詠んだ短歌を紹介します。
皆人の待ちし卯の花散りぬとも鳴く霍公鳥我れ忘れめや(8-1482)
<みなひとのまちしうのはなちりぬとも なくほととぎすわれわすれめや>
<<みんなが待っていた卯の花が散ってしまっても鳴いているホトトキズのことを私は忘れたりしません>>
この短歌は,大伴清縄(おほとものきよなは)という伝未詳の人物が詠んだものです。
この作者は万葉集にこの1首でしか出てきませんが,大伴家持とは近い関係の人物だと思われます。
この短歌,卯の花が咲くと,みんなが待ちに待った夏がやってくる。卯の花が散っても鳴き声で私を元気にするホトトギスのことを忘れたりしないことを詠んでいるようです。
夏の雑歌に分類されていますが,ホトトキズが作者の彼女を表しているのかも知れませんね。
さて,暖かくなって,そろそろこのブログに割り込んでは,悪さをする天の川君がおとなしく何か一生懸命書きものをしています。
天の川君,何を書いているのかな。
天の川 「今晩からな,毎週日曜日の夜レギュラー番組になる『爆笑!大日本アカン警察』にたびとはんのアカンところを書いて送るつもりやねん。番組に採用されたら5万円,番組の最優秀アカン賞を出しら10万円も貰えるのやさかいな~」
天の川君!私のどこがアカンなのかな?
天の川 「わいをおいたままだまって富山に行くし,壱岐の麦焼酎『天の川』は一向に買うてきやへんし,最近わざと寒~いボケを書くし,このブログは誤字脱字が多いし,ほんまにアカンことだらけやで」
まあ,たまにしかやらなかったこの番組を,ずっと前から(昨年10月24日の投稿参照)いずれはレギュラー番組化することを見抜いていた天の川君の洞察力に免じてやらせておきましょう。このブログのことが番組に取り上げられたら(たぶん無いと思うけど),それも悪くないですからね。
散る(3;まとめ)に続く。
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